フロア意識
- kakiage
- 2021年11月10日
- 読了時間: 3分
森脇裕之氏から電話あってKEKの50周年イベント(当初は屋外で行うはずだった)はコロナで配信にひとまずしようということになり、ならばあのもはや止まっている加速器コッククロフトの巨大アルミ部屋で何かできればと思うのでと連絡をもらった。「わーここは響くよなんかできたらいいねえ」と言ってみるものだ。あそこに自分の音が響くというだけでありがたい。 森脇さんは山口勝弘氏と一緒にOPERA時代(大学在出たくらいかな)ヨーロッパを何度も周ったという関係。会うといまだに「パリの仕込みの徹夜はほんとしんどかったよー」と言われる。巨大な真っ赤な代表作とされているLEDのレイヨ=グラフィーは圧巻で大好きなのだが、一般的には小林幸子の電飾ドレスのほうが有名なのかもしれない。かっこよさだけではない何か暖かさなのかユーモアなのか、がいつも作品にあるように感じる。今回も光の人形がなんとも言えぬ存在感を演出してた。
さて、、
6月にKEKつくばに行って加速器コッククロフトを見たときから脳内にクラフトワークが流れていたものの、いっそクラフトワーク流せばいいんじゃ?では済まないので、さて作ってみるか、、と作り始めたらあっという間に曲ができてしまった。どう考えてもぴったりな詩がクラフトワークのHUTTER RAFL作(元はボコーダー作品)である。もうこれ以上ハマる言葉なんか私には作れないよなあと。敬意をもって歌い始めたら英語がすんなりハマってほぼ即興一発でメロができた。あれ?と後からもうちょっとマシなのなにかなあと考えてもなかなか進まず、ならば一発OKということにしようとできた曲が「The voice of Energy」である。
https://youtu.be/IsvOxpUKpxo
そもそも私は非常にせっかちかつ雑なので一人で作り進めてしまう事が多い。
今回もそんなで一人終わってしまい、後からミーティングを重ね作り替えること3回、4回。結局別の曲を作ることにした。
神殿のような、という全体イメージからはやはりアンサンブルプラネタに登場してもらってピーンとした声で響かせてもらおう、と。
そして森脇氏からは「ガツンとしてよ、ガツンと」という最初に言われてた言葉があったのでなかなか難しい。
結局題材としてプラネタの「サンクトス」と「波紋」を(また)作り直した。
13日から配信がはじまる。(私は出演してませんが)
https://www.kek.jp/ja/topics/202111031205/

よくよく考えると時代の流れかなんなのかその「ガツン」としたものが音楽にも何にも求められてないような気がする。 「うっかり自分も流されちまってたのか?まさかねえ」と、。反省しきり。 なかなかその自分なりのガツンにぶち当たらずプラグインのヤケ買いしたり(楽しかった) いろいろ聴き直したり。かなりの修行をしてやっと見えてきた。 ふと思えば ライブをやっていた頃はフロアでぶちかます為の音を仕込まねば、、割れないように、しかし最大限にと 結構それを丁寧にやってたものだ。 ライブをやらなくなってからというもの構造そのものに意識が非常に向かい さらに自分で歌うようになってから即興性というものを大事にしてきた すべては同時には脳みそが把握できないのでおそらくそのどれかが優先されるのだが「フロアで」というのは排除されて随分と時間がたった。 今回は映像作品を作るわけなのだが フロアで踊るライブの人たちがいてそれを映像に収めていく。 プラネタもフロアで歌う なので「フロア意識」が復活したのだろう。 ということで、 私にとって非常に懐かしい感覚のような中で制作ができた。
というわけで 誰かとなにかを作っていくというのは面白いものですね。だぞ、と。


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