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寂寥

Amazonのオススメで出てきた時代小説をポチっとKindleに入れて読んでみた。「心寂し川」(西條奈加)である。

この川とつくものはおよそじーんとする。 読まずにはいられない。と、たくさん出てくる登場人物の名前が把握できずに翻弄されながらも読み進んでいよいよクライマックスまできた。 一人息子を殺された茂十の仇の次郎吉が死んだときの文章がこれだったのだ(長いんで説明できないんで省略) 「たとえ憎しみであっても、他とは比べられぬほどの深い縁だった。いざ失ってみると、胸の中から大事なものが抜かれたような気さえする。 息子を、妻を、亡くしたときと同じ。その思いは、寂寥だった。」

と、あった。

いやあ!これだよ!これ!

と、一番泣ける場面で私は膝を打って立ち上がってしまった。(泣いたけど)

そう、それなのだ。私を支配しているものは。「寂寥」だったのだ。 私が支配されているというより、作るものが何かに支配されてる気がしてたのだが これだったのだ。ピッタリと言葉に当てはまった時はなぜか爽快だ。 「寂寥だったのか」

と、思いながらここ1週間くらい過ごしていた3月11日。

柳美里の「遺品」というエッセイを久米宏が伝えている。

https://knock-knock.tokyo/kume-net/movie/580 文章を無言で読むのとは違う人間の声を通した情景が浮き上がる、さすが久米宏。

いや、さすが柳美里。

柳美里は南相馬市に移住しているのである。この、思ったらやめられない、というその行動力は素晴らしい、こうありたいと私も思う。 https://www.youtube.com/watch?v=RQrKlxySXiY&list=LL&index=10&t=208s こんなにも町の名前や位置を正確に記憶し、何が誰に必要か把握している人が他にいるだろうか? 朝一で久米宏の朗読で号泣してしまった私は、今日はとにかく作ろう!と思った。 なんとしても黙祷までに作らねば。と誰も待ってないのに焦ってつくることにした。 ハープに合わせて歌う、まずは炎の一発録音。 不思議と言葉ごと出てくる、。いや、なんで出てくるんでしょうねえ。 いつもはひとまず言語無しで歌い、後から歌詞を考えるのだが今日は違う。 言葉ごと歌が出てくるなんてまるでシンガーソングライターみたいじゃないか、とか思ったりしつつ一発でやればできるのかと我ながら感心。ほんと、ギターとか弾ければさらに気分はアガるのかもだが弾けない。 火事場の馬鹿力が仕事でも提出期限でもないのに出てしまった。 思いは、10年間の311とともに、自分の身近にいてくれたひとたちへそそがれる。

皆、空の果てを見つめたまま動かなくなってしまっていた。 と、 それにハモを入れているうちに黙祷がはじまった。 なぜだろう、今回の黙祷は涙が止まらない。 というか、朝から柳美里の「遺品」朗読で泣きっぱなしだった。 まあ、そんな日もある。ぞ、と。

と、、、

一発シンガーソングライター曲もひとまず完成しYouTubeにあげて、ホっとしたものの、 翌日。 むむ、、なんかこれってよくある深夜に書いた日記とかのようじゃ?

うーん、、と なおしているうちにコーラスを重ねたくてしょうがなくなるので重ねてしまった。この、隙間恐怖症のような「隙間があったら埋めてしまえ」バロック症候群はやめられない。 たぶん歌手ではないコンプレックスもあるのであろう。

あ、ここにも入れられますね、あ!ここにもハマりますね、とどんどん重ねはじめてしまったところでまた最初のYouTubeバージョンを聴いたら、ぬぬ、、こっちもシンプルで捨てたもんじゃない、、と、本当はまだまだいじりたいのだが

迷い始めドツボにハマって終了となった。 せっかくの一発一筆書きのような力がバロック症候群によって失われたかもしれない。 力強さとはなんなのだろう、と、音楽とは何なのだろうと改めて思う。 残念ながら私にはサラっと「僕らには明日がある」というような頑張れソングは出てこない。だが、そのことについても柳美里がとてもわかりやすい言葉で解説してくれている。 例えば(引用) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201217/k10012767801000.html 「悲しみを自分だけで抱えていると悲しみの水位が増していって、自分の悲しみで溺れてしまうという瞬間が誰しもあるのではないか。そのときに悲しい物語を読んで他者の悲しみに触れることによって、どこか自分の悲しみが触れて慰められるというような作用があるのではないかと思いますね。悲しい物語を読むことによって悲しみを流すことができる。」 なるほど、と。 私は夜中の日記でいいのか、と。 たまに静かな「寂寥」な夕暮れがあると何かと重なったような気がして癒されるアレなのかもしれない。ぞ、と。





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